1. はじめに

本書は、AVS/Express、AVS/Express PCE を東京工業大学学術国際情報センターの TSUBAME3 で利用する方法について説明しています。 また、TSUBAME3を利用するにあたっては、TSUBAME利用の手引きもご覧下さい。 利用環境や注意事項などが詳細に記述されております。
サイバネット株式会社ではAVS/Express、AVS/Express PCEに関するWebページを公開しています。 下記のアドレスを参照してください。

1.1. 利用できるバージョン

TSUBAME3で利用可能な最新バージョンについてはTSUBAME計算サービスWebサイトの アプリケーション ページをご確認下さい。
研究に支障がない限り、バグ修正の入っている最新版をご利用下さい。

1.2. 概要

AVS/Express PCE(Parallel Cluster Edition)はPCクラスタ対応版のAVS/Expressです。
クラスタ化された複数のLinuxマシンで、各マシンが持つ部分領域を可視化し、部分領域ごとに作成された可視化結果を合成し、全体領域での可視化結果を作成します。 この部分領域のデータを読み込んで可視化処理を行うマシンを計算ノード、全体領域での可視化結果の作成および表示を行うマシンを制御ノードと呼びます。

  • 計算ノード:データの読み込み~可視化まで、可視化処理の大部分を担当
  • 制御ノード:操作(可視化内容の定義)と可視化結果の表示のみ

制御ノードで定義した可視化内容は、可視化命令として計算ノードに送信されます。 計算ノード側では、制御ノードより送信された可視化命令を受信し、定義された可視化内容に応じて可視化処理を実行します。 計算ノードで可視化された結果は、奥行き情報付の画像、もしくはポリゴンで制御ノードに返信されます。(AVS/Express PCEの効果)

PCクラスタを利用した並列計算やその他の大規模シミュレーションでは、出力される計算結果データも大規模である場合が多く、可視化を行う場合、これまでは、間引く、あるいは、部分領域のみを可視化するといった手法が用いられていました。 AVS/Express PCEでは、各計算ノードが持つ部分領域を可視化し、最終的な可視化結果は制御ノード上で作成するという構成になっています。 そのため、並列計算や大規模シミュレーションの結果作成される大規模データを可視化する場合でも、高い精度を保ったまま、全体領域で可視化を実現することができます。

AVS/Express PCEには、以下の特長があります。

  • 可視化処理を複数の計算ノードで実行

データの読み込みからレンダリング処理まで、可視化処理のほとんどを、計算ノードで実行することにより大規模データの可視化を実現します。 計算ノード複数台で処理することにより、1台では取り扱えないような大規模データを可視化することが可能です。

  • 分散データをそのまま可視化

部分領域ごとに分散して格納したデータ(各計算ノードのローカル・ディスクに保存されたデータ)を制御ノードに集めることなく可視化することが可能です(共有ディスクに分割データを格納している場合でも、可視化することが可能です)。 可視化処理の自動化機能専用のスクリプトファイルを作成することにより、可視化処理を自動化することが可能です。

  • 様々な構成のシステムに対応可能

並列計算プログラム内での領域分割数と計算ノードの数が一致しない場合でも、可視化処理を繰り返すことにより、高精度・全体領域の可視化を実現します

  • AVS/Expressとのデータ互換

AVS/Express PCEはAVS/Expressのファミリー製品ですので、AVS/Express Viz、Developer等、他のAVS/Express製品とデータの互換性を保っており、データ資産をそのまま移行、流用することができます。操作方法も、ほぼ同じです。

1.2.1. 2種類の可視化方法:ポリゴンモードと画像モード

1.2.1.1. ポリゴンモード

ポリゴンモードは、AVS/Express PCE内で定義されるポリゴン情報を制御ノードに送信します。 制御ノード上で表示オブジェクトを作成し、レンダリング処理を実行しますので、マウスによる幾何変換等のインタラクティブな操作が可能です。 ただし、出力されるポリゴン数が多い場合、ポリゴン情報の転送と制御ノード上でのレンダリング処理に時間がかかる場合があります。

1.2.1.2. 画像モード

各計算ノードでデータの読み込みから、レンダリングまでの処理を行います。 制御ノードに送信するのは奥行きが付加された可視化結果画像で、可視化した結果作成されるポリゴン数に関らず、常に一定量のデータが制御ノードに転送されます。 ただし、制御ノードに送信されるのは、画像データなので、回転・拡大・縮小等の幾何変換を行う場合は、計算ノード側で、再度可視化処理を実行する必要があります。

1.3. マニュアル

マニュアルはTSUBAMEの次のディレクトリ下にあります。

アプリケーション名 ディレクトリ
AVS/Express 8.4 /apps/t3/sles12sp2/isv/avs/express84/runtime/help/ja/manual
AVS/Express PCE 8.4 /apps/t3/sles12sp2/isv/avs/express_pce84/doc