コンテンツにスキップ

1. はじめに

本書は、COMSOL Multiphysicsを東京工業大学学術国際情報センターの TSUBAME3 で利用する方法について説明しています。 また、TSUBAME3 を利用するにあたっては、TSUBAME利用の手引きもご覧下さい。 利用環境や注意事項などが詳細に記述されております。
COMSOLの開発元ではCOMSOLに関するWebページを公開しています。 次のアドレスを参照してください。

https://www.comsol.com

また、計測エンジニアリングシステム株式会社のCOMSOLのページは次の通りです。

https://kesco.co.jp/service/comsol/

本書は計測エンジニアリング株式会社様作成の はじめてのCOMSOL Multiphysics の操作を元に作成しております。

1.1. 利用できるバージョン

TSUBAME3で利用可能な最新バージョンについてはTSUBAME計算サービスWebサイトの アプリケーション ページをご確認下さい。
研究に支障がない限り、バグ修正の入っている最新版をご利用下さい。

1.2. 概要

COMSOL Multiphysicsはマルチフィジックス解析を前提として設計されている有限要素法(FEM)ベースの汎用物理シミュレーションソフトウェアです。
最大の特徴は「マルチフィジックス(連成)解析に対する柔軟性とソフトウェアのオープン性」。マルチフィジックス機能はあらゆる物理現象の組み合わせに対応(3種類以上の物理現象を無制限かつ自由に組み合わせて連成解析)できるので、実工学現象に即した高精度モデリング/シミュレーションが可能です。
伝熱・流体・構造・電磁場・音響・物質輸送・移動メッシュのような基本物理、そして一般偏微分方程式系のためのシミュレーション機能を搭載しています。 コアソルバが一般的な偏微分方程式系に対応しているため、分野を問わず物理現象全般に対しシミュレーションが実行可能です。
モデル作成/CADデータ読み込み~フィジックス選択~材料設定~初期条件/境界条件設定~メッシュ作成~ソルバ処理~ポスト処理(グラフや3D動画生成を含む)まで一貫して1つのソフトウェアのGUI上で処理できるため、今までのように対象とする物理現象によっていくつもモデルを用意したり、次の処理のためにパラメータを加工したり、ソフト間でデータを受け渡したりする必要はありません。

1.3. マニュアル

comsol起動後にHELP>Documentationより確認したい項目のマニュアルを参照ください。
/apps/t3/sles12sp2/isv/comsol/<version>/multiphysics/doc/pdf/以下にpdfファイルもございますので、ブラウザから参照できない場合はこちらをご利用下さい。

1.4. COMSOL Multiphysicsの利用の流れ

COMSOL Multiphysicsを利用する場合は大きく分けて、COMSOL Desktopの統合環境を利用して計算を行う場合とコマンドラインから直接、各種計算プログラムを実行する場合の2種類がございます。 基本的にはCOMSOL Desktopでモデルを作成し、作成したモデルをTSUBAME3上で解析する流れを想定しております。 COMSOL Desktopにもジョブの投入機能はありますが、ライセンス数が少ないため、TSUBAMEではサーバデーモンはオミットされております。
本書ではCOMSOL環境の概要を、COMSOL Desktopのモデルビルダの使用方法を示す例とともに解説します。