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1. はじめに

本書は、Gaussianを東京工業大学学術国際情報センターのTSUBAME3で利用する方法について説明しています。 また、TSUBAME3を利用するにあたっては、「TSUBAME利用の手引き」もご覧下さい。 利用環境や注意事項などが詳細に記述されております。
Gaussian lnc.では、Gaussianに関するWebページを公開しています。 次のアドレスを参照してください。

http://Gaussian.com/

また、ヒューリンクス Gaussianのページのページは次の通りです。

https://www.hulinks.co.jp/software/chem/gaussian

1.1. 利用できるバージョン

TSUBAME3で利用可能な最新バージョンについてはTSUBAME計算サービスWebサイトの アプリケーション ページをご確認下さい。
研究に支障がない限り、バグ修正の入っている最新版をご利用下さい。

B01ではTSUBAMEに導入されているTesla P100に対応したためGPU計算が可能です。 GPU利用に際する詳細は GPUの利用 をご確認下さい。

1.2. 概要

Gaussianは、ab initio分子軌道プログラムパッケージです。 数多いGaussianの手法の中でよく利用されるもののいくつかは並列実行が可能で、現在でも改良が進んでいます。 このプログラムには常に最新の理論的手法やアルゴリズムが取り込まれており、Hartree-Fock法とそれに電子相関を取り込んだ高精度な方法及び半経験的分子軌道と密度汎関数に基づいた以下のような分子の性質や化学反応について量子化学計算を行うことができます。

  • 分子の構造とそのエネルギー
  • 遷移状態の構造とそのエネルギー
  • 励起状態の構造とそのエネルギー
  • 基準振動、IR及びRamanスペクトル
  • 振動の円二色性強度
  • 熱力学的性質、理想気体のエンタルピー、エントロピー、熱容量
  • 結合エネルギー、相互作用エネルギー、反応熱
  • 化学反応の経路探索
  • 分子軌道
  • 多重極モーメント、分極率、超分極率
  • 電子親和力、イオン化ポテンシャル
  • 静電ポテンシャル、電子密度
  • NMR遮蔽及び磁化率
  • 溶媒効果

TSUBAMEでは、Gauss Viewが用意されています。 このようなユーザ・インターフェースを用いれば、Gaussianだけでなく、MOPACなどによる量子化学計算を初心者であっても簡単に行うことができます。
いずれにしても、Gaussianの入出力データはだいたい共通ですので、ユーザ・インターフェースを用いる方も本書を参考にしてください。 また、出力された数値を鵜呑みにしたり、使用した手法を良く知らないで理論の限界を越えて使うことの無いようにしなければなりません。 これらについては、計算の前に本マニュアルの参考文献を確認、研究に関連した論文を検索して読むなどあらかじめ良く調べるようにして下さい。
Gaussianには、様々なRevisionが存在します。 Revisionによっては、使用できる手法やアルゴリズム、デフォルト、バグ・フィックスなどが異なっていますので、注意が必要です。

1.3. マニュアル

Gaussian Manuals (gaussian.com)